日本選手権チャンピオンシップ優勝を振り返って

平成7年12月22日

山口 昌宏


2つの優勝カップ

今、手元に2つの優勝カップがある。ずしりと重い。 5月の全日本地区対抗戦優勝と、先月の日本選手権チャンピオンシップ優勝だ。 久しぶりに、いや、持って帰った日以来、初めて箱から取り出して見た。 嬉しい。チャンピオンシップ優勝は、ギャモンを始めた時からの目標の1つであった。 私にとって日本選手権は3回目、ギャモン暦にして2年半位だろうか。 そのような私が、なぜ、優勝してしまったのか? ・・・ 運が良かったのだ。

予選1日目

予選は、5ポイントマッチを時間のある限り行い、その日の上位8名が予選通過する。 予選は2日間。計16人が決勝トーナメントへ進む。時間がある者は、両日の予選に参加可能だ。 一日目、途中、6勝2敗とまずまずの成績であった。ここで止めれば、予選通過の可能性が高い。 しかし、ギャモンの神様はその様な考えを好まないだろう。 例え予選を通過しても、決勝トーナメントを勝ち抜けないと思った。 結果は、その後2連敗して、6勝4敗。予選落ちだ。 情けない。しかし、素直に反省するしかない。きっと、私に何か落ち度があったのだろう。

予選2日目・時間との戦い

今日負ければ、今年のチャンピオンシップは終わりだ。 硬くなっていたのだろうか、出だしいきなり2連敗。参加用紙を新たにして、2勝2敗。冴えない。 この時点で時計の針は4時を回ろうとしていた。予選は6時までだ。時間がない。 残り3連勝して5勝2敗、予選通過は無理だろう。2時間の間に、4連勝するしかない。 その後、何とか2つ勝って4勝2敗。しかし、残り時間は40分位だった。時間がない。 次の相手は、JBLでおなじみの強敵岡山氏であった。 1ゲーム目からキューブを大きくし、何とか速攻で勝つことができた。 これでもう1局できる。次は、時間を気にせずに戦える。 6時までに始めたゲームは有効だ。

最後の難関

予選最後の相手は、またまたJBLでおなじみの強敵今西氏であった。 ゲームは一進一退。5ポイントマッチで2−3とリードされた所で、今西氏よりキューブが来た。 キューブをパスした場合、2−4とリードされて、こちらの勝率は25%程度になる。 ポジションとしては、純粋なランニングゲームで勝率25%は十分ある感じだ。 しかし、このマッチ、どうしても勝ちたい。勝ちたいなら、楽なほうを選んではいけないはずだ。 時間をかけて考えたが、さほど迷わず、確信を持ってパスした。 2−4となった次のゲーム、序盤からランニングゲーム模様で、僅差のまま中盤へ。 お互いに決定打に欠き終盤へ突入、残り2ロール対2ロールで今西氏の振番だ。 ここで、今西氏ゾロ目を振れず、私の振り番へ。2ゾロ以上なら勝ち、それ以外は負けだ。判り易い。 きっちりと2ゾロを振って、ラストゲームへ。 なんとか勝ち切ることができた。 やはり、ギャモンはロールである。

決勝トーナメント

決勝トーナメントは、予選を勝ち上がった16名によるトーナメント。1つ負ければ終わりだ。 1回戦から準決勝は9ポイントマッチ、決勝は13ポイントマッチであった。 この日は、予選の2日間とは一転して、ロールが冴え渡った。 しかも、試合が進むに従い上り調子だ。ビシバシと急所のロール決まる。 特に、決勝戦では相手の皆上氏に申し訳ないと思う程であったの余裕があった。 1回戦から決勝戦までのスコアは、9−6、9−4、9−3、13−4。

強くなりたい

ギャモンをやるからには、もっともっと強くなりたい。 今はまだまだよ弱いが、これまでの私の修業方法について、その一部を紹介しておこう。 先にも述べた通り、私のギャモンキャリアはとても短い。 しかし、ここ2、3年にギャモンと接した時間では、日本ではベスト10に入ると思う。

三桂クラブ・JBL

三桂クラブ(東京都新宿)へ行けば、いつでもギャモンができる。 ギャモンを覚えたての私にとって、非常に好都合であった。 休みの日は毎日のように通い、 古川氏、宮崎氏等に教えて頂いた。 そしてJBLが始まった。5ポイントマッチのデスマッチで1日中、緊張してゲームができる。 純粋なギャモン好きにとっては、非常に優れたシステムである。 とにかく、初心者のころは、できるだけゲーム数をこなすことを考えた。

FIBS(First Internet Backgammon Server)

家にいながら、世界中のギャモンプレヤーとリアルタイムでゲームができる画期的なシステム。 インターネットを利用して、自宅のパソコンをスウェーデンに置かれたサーバと接続する。 そこでは、常時、100名以上の各国のプレイヤーが熱戦を繰り広げている。 世界チャンピオンクラスのプレイヤーも多い。観戦のみも可能だし、棋譜(ムーブの記録)を 残すことも可能。勝敗に応じてレーティングが自動的に計算される。 始めてつながった時は感激した。当初は、金曜日の夜から日曜日の昼までとか、平日は、午後7時から午前3時までとか、寝る時間を惜しんでゲームしていた。

「ギャモンはロール」

よく知られている様に、バックギャモンの勝敗を決する3つの要素は、ムーブ、キューブ、ロールだ。 ムーブは、ダイスの目にしたがって如何に動かすかの技術。 キューブは、キューブを出す/テイク/パスの判断技術。 ロールは、ダイスを振る技術。しかし、ダイスの目は運により決まる。 3つの中で、勝敗に最も大きな影響を与えるのは何か? もちろんロールである。しかし、信じない人、信じたくない人も多い様である。 運によりダイスの目が決まる。では、運が良くなるにはどうすれば良いか? 私は、その答えの1つを「運を育てる」(米長邦雄著)に見つけた。 最終的に勝負を決めるのは、勝利の女神である。勝つためには、勝利の女神に好かれなければならない。「勝利の女神は、謙虚と笑いを好む。」 良い目を振りたいを願う方は、一読をお勧めする。 この本は、私のギャモンにおけるバイブルであり、大切な試合が近づくと読み直している。 もちろん、モンテカルロへも持っていくつもりである。

以上。