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とうとうクォーターセミファイナル(ベスト8)まで来てしまいました。もしも次のマッチに勝つと入賞確定です。
次の対戦相手はだれかなとトーナメント表をチェックしてみたところ、まだ対戦者の一つ前のマッチは終了してませんでした。トーナメントマネージャーの一人にこのマッチを対戦している二人の所に案内してもらいます。
私がその二人の所に行ったときには Jerry Gette と名前は知りませんが女性のプレーヤーがまだマッチの序盤をプレーしていました。まだ時間がかかりそうだったので、二人にこのマッチの勝者が私と次の試合をすることを告げて食事に出ることにします。
(有り金はたいて Las Vegas までやって来る)日本人プレーヤーにお勧めの場所です。残念ながらそこの店員さんはみんなラテン系で日本語は話せませんので、英語(か、スペイン語)でオーダーするしかありません。
「今の時間は Jackpot が優先らしい。もしこの Jackpot のマッチに勝つともう一つ Jackpot の試合をしなければいけないし、そうなるとへたすると夜の 12 時を回ってしまうかもしれないね。」
しばらく考えて、まあ他にすることもないので、
「Jerry の Jackpot を観戦することにするよ。なにもすること無いし。もしそのマッチに勝つようだったら次の
Jackpot も観戦してるから。スパイさせてね。」と冗談交じりに言ったら笑いながら快く応じてくれた。ちなみにルール上ではトーナメントのプレーヤーにはこの「観戦」を断る権利があります。すぐ次に入賞を決める重要な試合をする相手に快く観戦させてくれたということは、この人の器の大きさ(または自信の大きさ?)を示していると思います。事実、この二日後に決勝を戦った
Lise Howard は「不利になる」との理由で彼女のセミファイナルの観戦を拒否しています。
Jerry の Jackpot の試合は、「Jerry に運のかけらもなかった」マッチでした。Jerry の惨敗です。あるゲームでかれは2-3(3-4 だったかもしれない)バックゲーム気味になってしまいますが、あるときバックゲームから普通のゲームに移行できそうな大きなゾロ目を出してフロントにでた直後に賢いデュープリケーションむなしく相手のスーパージョーカーに襲われて二個バーに戻されてしまいます。そのとき確か相手は3ポイントボードだったと思いますが、Jerry は延々と踊りつづけてアンカーのある3ポイント以外を完全に閉じられてしまいます。あのジョーカー以来ダイスを振る以外なにもしていない Jerry ですが、まだ1チェッカーがバーの上にいます。相手はとうとうベアオフし始めてしまいました。それでも Jerry は踊りつづけて、結局まさかのバックギャモン(ダブルを受けていたので6点)を取られてしまいました。その後結局挽回することができず、とうとう Jackpot から敗退してしまいました。
この Jerry、気さくな人で試合中のウィットの効いた軽いジョークを言って結構リラックスしてプレーしていました。バックギャモンを取られたゲームでの悪夢のようなダンスの連続ではさすがに苦悩の表情を隠せませんでしたが、それでも嫌味にならない程度の冗談は忘れません。あのダンス、そしてバックギャモンとくるともう大抵の人はそこで切れて、自分のスタイルを守りつづけることは普通できません。バックギャモンをとられた後も特に熱くなることもなく堅実にプレーをして、結局マッチは負けてしまいましたが彼の精神的な強さは大したもんだなぁと感心しました。
惨敗だった Jackpot の試合が終わるとすぐに、約束通りメインのトーナメントを始めることにしました。あと2試合勝てば賞金がもらえるという大きなマッチをあれだけひどい負け方をした直後だけにできればこのマッチを延期して上げたかったところですが、ぜひとも今日中に終わらせろとトーナメントマネージャーから言われているのでしかたありません。Jerry
はまったくふてくされることもなく、まるで前の試合がなかったかのような様子で試合を試合を始めてくれたことは立派です。
やはりこの相手は強く、するどいキューブを打ってきますので毎回ぎりぎりの判断を迫られます。ただ、この人の性格からよくいろいろなムーブをして利点欠点を面白おかしく説明してくれますので対戦していて全然ストレスを感じませんでした。途中から私が逆転して、一時 9-5 とマッチポイントまであと2点としたところで Jerry がゲームで優勢になりキューブを打ちます。これがまた判断の難しいキューブで、ギャモンの可能性が無いときには 22% でテイクできますが、ギャモン負けも十分ありそうなポジションでしたので勝率40%は軽いなと思えるポジションでもすぐにはキューブを取れませんでした。結局テイクすることになりますが、危うくギャモンを逃れるという結末になりました。Jerry は「あのキューブはパスじゃなかったのか。テイクしてくれたとき同点にできると思ったよ」と言ってましたが、多分彼の言う通りでしょう。彼にはあのポジションでのギャモンチャンスが正しく読めていたのだと思います。バックギャモンを始めてやっと1年の私にとって、経験がものを言うギャモンがらみキューブアクションはもっとも苦手な所です。
9-7 で迎えた第11ゲーム目、タイミングの十分でない(レースでは勝っている)ホールディングゲームで命からがらバックマンを逃げ出すことに成功して 10-7 (クローフォード)になり、そのクローフォードでは逆に Jerry に 5pt ホールドゲームをされますが、出目に恵まれて事故に遭うことなくアウトフィールドのチェッカーをホームボードに入れることができて、ゲームを勝ちきることができました。
試合の後、Jerry は私のプレーは良かったと誉めてくれました。これには本当に驚きました。他のサイドイベントも含めてこのトーナメントで私が負かした相手が試合の直後に相手のプレーを褒め称えてくれた人はいません。しかも賞金間近の Jackpot と入賞を決定するこのマッチを立て続けに落とした直後だけに、この彼の態度には感動すら覚えたほどです。(あの Ken Tyszko ですらマッチ直後は無言で会場を去っていきましたから。)
自分の最終的に目指すべきスタイルを Jerry に見た気がします。
セミファイナリスト(ベスト4)は新たにトーナメント表が用意されてそこに名前が記入されます。私の名前がそこに記入されました。なんとも言えない気分です。そのトーナメント表のすぐ横に賞金額の一覧があります。たとえ明日のセミファイナルで負けたとしても賞金は
$1800 です(約19万円)。このトーナメントのためにかかった費用を全てあわせても十分もとがとれる金額です。そしてそれに勝つと
$3600 (約38万円)、さらに勝って優勝なんかしてしまうと $10850 (約114万円)!!。なんとまあ、なんとまあ、なんとまあ、...
考えているだけて自然ににやけてきてしまいます。
二ヶ月前 Las Vegas Open では Beginner division にエントリーしようかと考えていたところ、(BGBB では私は Intermediate でプレーしてました。そして大抵の人は Las Vegas では一クラス落として参加するのが普通だったのです。)BGBB のトーナメントマネージャーの一人 Richard McIntosh (Games Grid のあのインターフェースを作った人です)に「Sho なら Intermediate でもやっていける。」とおだてられて、半信半疑ではありましたが経験のつもりで背伸びしてエントリーしたこのクラスでここまで来るとは思ってもいませんでした。