Ken Tyszko戦 「苦戦」

 
Match to 11 point
Game
Sho
Ken
1
1
0
2
1
1
3
1
2
4
2
2
5
2
3
6
2
4
7
2
6
8
2
6
9
4
8
10
4
8
11
8
8
12
9
8
13
9
9
14
11
9

シカゴからお出での Ken Tyszko は 1998年の Las Vegas Open の Intermediate のコンソレーション2位になったなかなかの実力者(もちろんこれはあとで調べて分かったこと)。そういう人は力は結構 championship レベルだったりするそうですが(本当ですか)。

149 人出場のトーナメントでは他の人より一回多い8回マッチを勝たなければ優勝できない人、つまり bye を引けなかった人が 42人(合ってます?この計算)います。私はこの 42人のうちの一人になってしまいました。それで二回戦にこの Ken Tyszko、そして次の三回戦で Patrick Gibson (あとで紹介します)とこのクラスではかなりの強豪に連続してあたることになったというのは、結構くじ運が悪かったほうだと思います。

このマッチは今回のトーナメントではもっとも大変だった2試合のうちの一つです。(次の Patrick Gibson 戦がもう一つの大難関でした。)Ken は(第一戦の Ron とはうってかわって)とってもフレンドリーで試合中にも良く話します。楽しみながら試合をしているような感じの人でした。私はそういった相手と対戦する場合はできるだけそれに合わせて自分もくだけた感じになるように、つまり「勝負師モード」にならないようにこころがけてます。もちろん試合中にしゃべりすぎるとそれが不利に働くこともありますので注意はしています。こうすることで、余計なプレッシャーを除いて結局より良い試合ができるようになることもあるみたいです。

いろいろ冗談を交わしながらも 2-6 とはっきり押されぎみで迎えた 9 ゲーム目。これまでのゲームでこの相手は相当強いということを実感していました。そしてこのゲームでもうまくプライミングゲームで私のチェッカー三つを閉じ込めて、貪欲にギャモンを狙っています。もちろん彼はずっと前にダブルしていますので、2のキューブは私の手元あり、ここでギャモンを失えば 2-10 クローフォードでほとんどそれまでなので私はシングルで負けてもいいからギャモンだけは避けたいと必死にもがいてました。そして、こんな感じの局面になりました。(例によって、ポジションはいいかげんな記憶をもとに再現してますので全然正確ではありません。)

私の手番です。ヒットできなければ、ギャモンは現実化してしまいます。この一ロールが多分マッチの勝敗を決めるんだろうなとか考えながらロールして、ヒット。このヒットで一転して形勢は均衡します。次の Ken のロールがなんと 4-4! ボードを崩しはじめます。この数ロール後に(まだ Ken のヒットされたチェッカーがホームにたどりつかないうちに)もう一個のチェッカーをヒットすることができて、とうとうリダブルでパスさせることができました。2点失うまいと必死にもがいていたゲームで2点を得たのはもうけものです。これがきっかけになったかどうかはしりませんが、ここから私のゲームは息を吹き返します。

その後、接戦を繰り返してついに 12 ゲーム目で 9-8 と逆転リードしましたが、次のゲームであっさり 1 点とりかえされて 9-9 の DMP となります。最後のゲーム、Ken が早いうちにやや優勢になって、ダブル。(理屈では 2away-2away では初手レスポンスでのダブルが正解だけど、やっぱりできなかった。)その後、形勢は二転三転する激戦になります。こっちがスーパーショットをだせば Ken もそれを上回るショットで応えるといった応酬をくりかえして、とうとう Ken はベアオフの最中シングルショットを残すことになりました。このショットをヒットできなければほぼ 100% 負け、できれば優勢になるという局面です。このショットを残したときに Ken は「ま、こういうこともあるさ」とおどけてみせますが、これを負けを覚悟したロールで私がヒットした瞬間はさすがに彼の表情が固まりました。このあと彼のチェッカーをクローズできたかどうか覚えてませんが、とにかく私が断然有利のレースになり、とくに大きなぞろ目がでることなく私の勝利となりました。

試合中はあれほどくだけた感じで対戦していた Ken ですが敗戦の直後は完全に無言になりそのままスタスタと会場をでていきました。やっぱりああみえても結構真剣だったんだなぁ、とちょっと驚いたのを覚えてます。



 

この Ken Tyszko という人


このマッチの直後は不機嫌でしたが、しばらく後にはいっしょに $5/point (次の日には $7/point)のマネーゲームをする仲になりました。それでいろいろ話をしてみると、見た目30台後半か40台の彼はシカゴの投資家だそうで、地元の仲間内では $5000 のゲームをしていると聞いて唖然としました。「冗談でしょ」となんども念をおして聞き返しましたが、どうやら本当みたいです。Intermediate でプレーしている大半の人は賞金目当て(当然といえば当然)ですが、このような人がたとえ優勝してもたった2ゲーム分の稼ぎしかないわけで、賞金とってもあまりうれしくないだろうに...。彼はトーナメントで勝つこと自体に大きな喜びを感じているんでしょうね、きっと。

ちなみにそのマネーゲームでは私が $50 勝って、また不機嫌になってました。お金持ちの気持ち理解できません。